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障子堀・畝堀を中心に、修復工事始まる

平成22年3月より12月22日まで、西ノ丸・西櫓周辺の修復工事が行われました。
山中城跡では風化や冬季の霜柱から遺構面を守るために、土塁や堀を“盛土”による被覆と“張り芝”により保護しています。この方法は、畝堀や障子堀の構造を明確に把握できるように、そしてコンクリートなど人工的なものの使用は極力避けたいとする考えによるものです。
盛土と張り芝による保護は見た目にも美しく、土留めの役割も果たすので遺構面の保護にとても効果的です。しかし、保全には大変な手間がかかるのも事実。
・周りの樹木の成長により、日陰となった箇所の芝が枯れる
・斜面の芝が剥がれやすい
・芝の定着のために散水が必要
・重機は入れないので、すべて手作業

山中城の土塁の勾配は約58度、堀の斜面は約55度。敵を脅かすこの急峻な構造は、保全・修復をより困難にしています。

■畝堀・障子堀の修復手順
1. 枝が張りすぎた樹木の伐採
2. 傷んだ芝を剥がす
3. 土を盛り直す
4. 整地
5. 散水しながら芝を張る

盛土は遺構をおおよそ1m覆っています。障子堀の“桟(畝)”部分も被覆しているので、現状は人が歩ける幅がありますが、実際はその半分ほどだそうです。
大規模な城跡だけに、修復には大変な手間と労力がかかります。機械も何もない戦国時代にこのような城が築かれたことに驚きを感じますが、その貴重な遺構を後世に残すために多くの“人の手”が関わっていることも忘れずにいたいですね。

 

<修復に関する問い合わせ先>
三島市教育委員会 文化振興課
TEL 055-983-2672/FAX  055-972-3304

 

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▲整地まで進んだ、西櫓障子堀
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▲盛土による整地(西櫓西側)
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▲張芝は葉が大きい“野芝”。散水により芝の定着を促進
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▲未修復の畝堀(西ノ丸畝堀)
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▲修復後(手前)と修復中(奥)の西櫓の障子堀
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▲敵の攻撃も補修作業も阻む、急角度な堀(西櫓障子堀)
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▲急峻な西ノ丸の畝堀を、すべて手作業で整地